By みゆき

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養生したければここのお店!

 

このブログの中で私がいう”養生”とは、「体をいたわること」。養の字のが「食」。やはり、体をいたわる基本は食から。もっと言えば体の中にいれるひとつひとつを指します。

「養生」という言葉は台湾でも全く同じ漢字の同じ意味使われているし、特に薬膳の材料の話になると必ず一度は出てくる言葉です。

台湾人にとって、養生=薬膳スープ。家庭料理、外食に至るまでの食生活の一部になっています。

日本人にとってもそのイメージはあるかなと思いますが、ちょっとハードルも高い??

でも実は結構食べやすいし飲みやすい。

色んな店を渡ってきた中でも、美味しく、きちんとまじめに作っていらっしゃる薬膳スープ専門店をご紹介します。

 

『唐太盅養生燉品甜湯』

こちらは行天宮駅から徒歩5分という立地のよいお店。

周りはお寺があることもあり、下町ぽい雰囲気がありますが、こちらの店は内装にこだわられていることがわかる、落ち着いていて清潔感がある中で食事がいただけるのがとても良いですね。私が薬膳のお店を開くなら、こんな雰囲気がいいなぁ~なんて妄想します。

入ってまっすぐ正面の棚にはずらりと中薬も並べられていますね。

壁には中国の歴史上もっとも著名な医学者「李時珍」の肖像画とその説明も書かれています。

 

さて、席につくと、店員さんがお茶とメニューを持ってきてくれます。

単品でスープのみを頼むのもよいですし、セットで約1000円(2020年5月6日現在)でゆで野菜と主食(そうめんかおこわ)付きにもできます。メニュー記載内容は漢字でなんとなく分かりますが、一応日本語メニューもあります。スープの種類はこの四物湯以外に、約10種類ほどあり、多いです。

 

こちら、四物湯という定番の薬膳スープなのメニュー書きですが、

説明のクオリティがすごいんです。

例えば、1.「調経」「養血」とあります。月経周期を整え、血を増やすという意味。

2.肌を潤し、老化を防ぐ。

3.そして血不足状態を緩和する。

という風に。

さらには、女性、男性、子供のそれぞれのどんな症状に合うかを記載してくれています。

薬膳や中医学を少しでも学んだ方なら、とっても嬉しい記載。

だって、日本で学んだものが、こうして活用されているのを肌で感じられるのですから。

自分が少ししんどいな、という時に食べるだけでなく、普段の生活から取り入れることができる薬膳スープは女性だけでなく全ての人の、大きな味方です。

この四物湯は、名前のとおり、4種類の中薬と鶏を合わせて煮込んでいます。
台湾一般家庭でも、生理不順や生理出産後の、血が減っているときに血を補給するスープとして、台湾でよく飲まれているスープの一つです。

お味は、、意外にもあっさり。

奥の深い味わいなのですが、鶏肉の油を消してうま味を引き出してくれているのがよくわかる、すっきりとしたお味なんです。
風味が嫌な感じがせず、ほどよい中薬の香りとともに、スープを飲む手が止まりません。

鶏肉もほろほろ。ぎゅっと固まっていなくてうれしいところ。
一緒にいった日本人の女性お友達は薬膳スープはそこまで飲む習慣がないけど、とてもおいしいと言って同じくぐびぐび飲んでいました。

伺った時、ちょうど生理が終わったところだったのと、もう30度近い真夏の気温になっていたこともあり、血不足がすごいだろうなと思ってこのスープを選びましたが、目的もさることながらお味もベスト!

主食で選んだのは、椎茸のおこわ。
台湾のおこわは日本のものと違ってサラっとしていて食べやすく、風味もあっておいしい。

 

話は少し逸れますが、お米にはアミロースとアミロペクチンの2種類のでんぷんがあります。もち米はアミロースが含まれておらず、逆にアミロペクチンが100%なのです。このアミロペクチンが粘りの強いでんぷん。おこわだけでなく、お餅や中華ちまきに使われるのもこちら。
前に台湾の友達に、「台湾のちまきはおいしいけど、食べ過ぎには注意してね!」って言われて、なんで?って聞いたら、「もち米は体に熱を産むから、おなか張ったりして体に負担かかるよ。」と説明してくれました。これがなんと同じ年代の男性!(しかもイケメン)→惚れてまうやーん。って思いました。こんなアドバイスは同年代の日本人男性からはまず言われたことないですからね。
日本人のお友達も、前におこわを2杯食べたら、その後おなか張りすぎてすっごい苦しんだらしい。
もち米は、便秘になりやすかったり怒りやすかったり吹き出物出やすい人はあんまり食べないほうが後で苦しまないよーってことです。
でも元気をつけるのには普通のうるち米より、もち米のほうが薬膳的効果は高いのですよ。

 

こちらは、発酵黒ニンニクの鶏スープ。
出た!今台湾で大人気の黒ニンニク!

飲むとすぐわかる、すっごく精がつくスープ。黒ニンニクという、普通のにんにくを1か月ほど発酵させているにんにくを使っているので、奥の深い味とほんのり酸味を感じます。黒ニンニクが苦手な方はもちろん無理だと思いますが、そうでない方なら、とってもおいしくいただけます。私はこの時エネルギー不足を感じていて、とにかく奥に眠っているパワーに火をつけて!!と思って、選びました。

実は生理前だったのもあったのでちょっと疲れてるなぁと思ってたのですが、次の日にばっちり生理が来ました。
ちなみに、黒ニンニクには抗酸化作用、抗ガン作用、デトックス作用があるとも言われています。

 

スープは素敵な陶器にちょうどよい温度加減で運んできてくれます。

ごはんを食べてその後、お友達とおしゃべりに夢中になり…、
デザートも頼みました。

選んだのは、雪蓮子燉四寶湯。

ハスの実、白木耳、棗、クコの実が入っていて、白木耳がとろとろしていて甘みがつけてあっておいしいです。

ハスの実という実は、レンコンができる過程で地上に伸びる茎の中に実をつけるのですが、これがとてもおいしくて栗のようなお味がします。
甘みがあるので、デザートにもよく使われます。

白木耳もデザートによく使われますね。1時間ほど煮るととろとろになり、植物性コラーゲンとして楊貴妃も愛した美容の食材です。

でも正直言うとですね…。
冷凍焼けしていて、食べにくかったです。
お店なので沢山作って冷凍してあるのはわかるのですが、きっと時間が経っているのでしょうね。
お客さんに出すものとしては、、うーんちょっと気を付けてもらいたいな、とお店経営経験がある私としては思ってしまいます。

次回ほかのデザートに期待!!

こちらのお店、あまり観光本には載っていませんが、お味はさっぱりとしているので普段から薬膳スープを飲み慣れていない方でも本当においしくいただけると思います。

立地も、内装もとっても素敵。

胸張ってお勧めのお店です!