仙草で体をいたわる美味しい薬膳スープ
「仙草」のお話は以前にしましたね。
(仙草とは何か?→過去に仙草の記事がありますのでそちらをご覧くださいね~~)
仙草ゼリーというデザートを食べられるお店は市内にたくさんあります。
でも、仙草の料理は…正直見たことありません。
でも、新竹には仙草を使った料理を食べる習慣があります。なぜなら、新竹の関西という地区は(大阪じゃありませんよ!)、台湾最大仙草の産地だからです。
仙草は、昔々中部南部で広く栽培されていましたが、少しずつ生産量が少なくなり、この関西という地方に集約されて作られているようです。
その新竹で仙草を使った料理を教わってきました!
台北から新幹線で1時間半、竹北駅からとことこ歩いて10分ほど。
行く途中の道で、檸檬やライチの木も見つけました。
今日のレッスンお目当てメインは仙草薬膳スープ!!色々勉強してきました。
先生は事前に乾燥の仙草からスープを煮出してくれていました。
中薬店でこんな風に売られています。
乾燥仙草はなんと、中国からの輸入がかなり多いそうです。調べると価格は約2分の1以下。。品質としては長く置いたもののほうがいいそうです。へぇぇ、台湾は、年数をかけたものを大事にしていますね(薬膳食材や干し大根)。
この乾燥仙草をそのまま煮ても、実は真っ黒にはなりません。
じゃぁなぜ外のものは黒いのか?→重曹を入れているからです。
どっちが重曹入れたものか、わかりますか?
正解は右👉です。
★なぜあえて重曹を入れて黒くするのか?
→薬膳の考え方で、黒は重要な色の一つ。生命の源の腎を表す色が黒。黒は生命力の現れなんです。だから中医学では黒髪を維持することも重要視されます。
そういえば、街中で売られている仙草ドリンク、ゼリーなどのスイーツを見るとまーっくろ!
裏話ですが、色が濃い方がが身体に良さそう、仙草の割合が多そう、ということで売れるのです。
逆にナチュラルに煮出しただけだとほんのり茶色つくのが皮肉にもお客さんからは受けが悪いので、薬膳的意味合いというより、商売上の理由でわざと黒くしているようです。
あまり外で仙草ドリンクを健康だからと飲むのも良くありませんね。
さて、この煮出したスープに、中薬の棗と枸杞と熟地黄を入れてさらに鶏肉を入れて煮込んでいきます。
こちらが 塾地黄(じゅくじおう)。
カイケイジオウという根を酒とともに蒸して作られたもので、甘みがあります。『四物湯』という、漢方スープ( 養生するならこのお店!という記事に写真があります)の中の4つの生薬のうちの1つです。薬効としては、補血薬になります。
話は戻り、すでに仙草スープは作られているので、重要なのは、中薬を煮出すこと。1時間は必須。
わー大変。と思いきや、ここでやはり登場するのは台湾の電鍋です!パチパチ。
スイッチオン!してそのまま放置してるだけでいいのです。電気鍋なので、火を使わず安全、そして適度に圧もかかって肉も柔らかくなります。本当に革命的な、料理人味方の鍋。低温調理がこんなに簡単にできちゃうんですから。
出来上がった感じはこんな感じ。
基本的に塩は入れません。中薬の効能が減るからです。でも、食べる時にあまりに味がないと食べにくいので、ほんのすこーし塩を入れました。
お店では、別のお皿にお肉にタレをつけて食べます。
私はほんの少し塩入れただけで、甘みとほろ苦さのハーモニーが大好きに。次の日さらにいただくともっと馴染んで美味しくなっていました。
台北の方では仙草スイーツはあっても、薬膳スープは見かけません。自分で作るしかないのです。これ以来私は大好きになって、アレンジして何回も作りました。
レッスンではスープ以外にも、仙草ゼリーや焼仙草、薑糖片,蜜棗,芋圓,南瓜炒米粉も作り、半日以上のフルレッスンでした。
一緒に受講した方々は皆さん地元の方々10名ほど。先生は台北の方でとってもベテランな70近い方ですが、とても元気で気さく。
レッスン参加もだいぶと慣れて、緊張しなくなり、新しい出会いも楽しくて、料理の新しい発見だけでなく、こういう人との出会いも実は楽しみだったりするのです。
またレッスンに来たら皆さんと会えるといいなぁ、そういう気持ちで台北に戻りました。
お読みいただき、感謝!