吉野葛堀りがすごかった話
奈良大宇陀のゲストハウス“奈の音“さん主催の『葛と自然薯堀りツアー』に行ってまいりました!!
そのレポートを。
一言で感想を言うと。。。
葛ってこんなにデンジャラスな魅惑な生き物なのね。
っていうこと。
だってね、山登りって聞いて参加したら、道のない森の茂みの隣は崖ってとこを時に這いつくばりながら歩いて(這って?)行き、これまた斜面に生えてる葛根を掘り起こすのですよ。
見えますか?写真下部の方に埋まっている太い根っこ。
そもそも、葛って何?という方のために。
◆ 葛
マメ科クズ属の植物。根を用いて食材の葛粉や漢方薬が作られ、秋の七草の一つにも数えられています。
◆ 葛根 Wikipediaより
葛の根を乾燥させたもの生薬名。発汗作用・解熱作用・鎮痛作用があるとされ、漢方方剤の葛根湯、参蘇飲、独活葛根湯などの原料になり、特に風邪の初期症状に用いられる葛根湯の主薬である。風邪や胃腸不良の時の民間治療薬として古くから用いられてきた。
さて、3時間くらいかけて、奈の音オーナーご主人の7割の力により(笑)、約15Kgくらいの太くてながーーい葛の根が掘れました!
このくらいの太さ大きさはかつて無いほどということです。
これくらい育つには、30年くらいかかります。
実はこの根っこの途中の部分、朽ち果ててたんです。
それが、
途中からなんと 復活!!! してたのですよ。
さすが、海外では侵略的外来種に指定されているほどの繁殖力。
「根気がいる」植物、いや生物です。
葛は葛堀りのプロの方がいて、5日くらい山に篭ってひたすらこの危険で重労働な葛堀りをして、トラックいっぱいにして、下処理をしたものを大きな薬草園に売るという流れなんだそう。
話はそれますが、
指折りの葛メーカーの社員さんや生薬メーカー社員さんや元煎じ漢方薬局薬剤師の方によると、
・日本では 吉野葛と、福岡の秋月の葛が有名ですが、
葛はこんだけ大変なので、まずサツマイモ澱粉等が添加されているものが多い。
・100%葛粉でも一から自分で掘って精製するメーカーは極一部。
・栽培ものも多い(栽培は実はとても難しい)。
・商品としての葛粉は真っ白にして綺麗に見せるためだが、葛根湯はそこまで精製しないのでグレー色。真っ白なので生薬の有効成分は少ない。
・だからと言って未精製葛を売ると薬事法に引っ掛かるのでややこしい。
というお話がいろいろ聞けました。
さらに、葛堀りガイドの藤本さんによると、
そもそも葛堀りと精製は
・家庭内の薬箱として必須の食材だったから、各家庭の冬の手仕事だった。
・葛には3種類の種があって、8割が発芽しない種、残り15%くらいの発芽率。意外と低い。
いやぁ、この低い発芽率でこお生命力の強さはマジですごい。選ばれしもの?
さて、葛堀りのお話に戻ります。
葛堀りは目利きがないとできないので、藤本勝也さんという、宇陀市観光ガイドのスーパー目利きとスピードと力技のお陰で、
こーんなたくさんの葛と自然薯が採れました!!
12名の参加者さんと共に。
この後、精製のお話でーす。
続きは次の記事にて。